子どものアレルギー、給食ではどう対応しているか

子どもとごはん

子どものアレルギーは、今や珍しいことではありません。

保育園の給食でも、アレルギーを持つ子どもへの対応は毎日の大切な仕事のひとつです。どんなことに気をつけているのか、現場の視点からお伝えします。


多いアレルゲンはこの4つ

保育園で特によく見るアレルゲンは、

  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 小麦
  • ナッツ類

この4つです。なかでも鶏卵と牛乳は特に多く、給食の献立に関わることが多いため、毎日注意が必要です。


卵アレルギーへの対応

卵は「最後に加える」メニューがほとんどです。

卵とじ、かき玉汁、炒り卵など。卵を入れる直前に、アレルギーの子どもの分を先に取り分けておきます。

この「入れる前に取り分ける」という方法は、一つの鍋で対応できるので効率的です。ただし、取り分けるタイミングを絶対に間違えないよう、調理の手順を確認しながら進めます。

取り分けた後は、アレルギー対応の食器に移し、ラベルを貼って「誰の分か」を明確にしておくことが鉄則です。どんなに忙しい日でも、この確認だけは絶対に省略しません。


牛乳アレルギーへの対応

牛乳は、豆乳に代替えすることが多いです。

シチューやグラタンなど牛乳を使うメニューでは、豆乳で作ったものをアレルギーの子どもに提供します。汁物に牛乳が入る場合は、加える前に取り分けます。

手作りおやつに牛乳を使う場合は、蒸しパンに変更したり、牛乳の代わりにサラダ油で代用したりします。意外とサラダ油で代用できるレシピは多く、仕上がりもほとんど変わりません。

家庭でも豆乳や植物性の代替ミルクが手軽に手に入るようになりましたから、「牛乳が使えないから作れない」とあきらめていたメニューに、ぜひ一度試してみてほしいと思います。


小麦アレルギーへの対応

小麦のアレルギー対応は、特に難しいです。

醤油・味噌・パン・麺類・揚げ物の衣など、小麦は非常に多くの食材や調味料に含まれています。

保育園では、離乳食で使う食材をアレンジして対応することがあります。離乳食は素材をシンプルに使うため、小麦を含まないメニューを作りやすいという利点があります。

小麦アレルギーの対応は家庭でも大変だと思いますが、まずは「何に小麦が含まれているか」を把握することが第一歩です。

最近はグルテンフリーの醤油や米粉を使ったパンなど、代替品の選択肢も増えています。保育園でも、そういった食材を積極的に取り入れながら、できるだけ同じメニューを食べられるよう工夫しています。


ナッツ類への対応

給食の献立にナッツが登場することはほとんどありませんが、気を抜けないのが行事のときです。

誕生日会や季節の行事で、市販のお菓子を提供する場面があります。そのとき、原材料にナッツ類が含まれていないかを厳重に確認します。

「ナッツ不使用」と書いてあっても、「同じ工場でナッツを使用した製品を製造しています」という表記がある場合も要注意です。アレルギーの子どもがいる場合は、こうした細かい表示まで確認するようにしています。


保育園でのアレルギー対応、もう一つの大切なこと

アレルギー対応で忘れてはならないのが、「子どもが自分のアレルギーを意識しすぎないようにすること」です。

「自分だけ違うものを食べている」という感覚が積み重なると、食事の時間が楽しくなくなってしまうことがあります。給食の時間が子どもにとって前向きな体験になるよう、保育園の給食が完食される理由でも書いたように、雰囲気づくりをとても大切にしています。

たとえば、「今日のあなたのごはんはこれだよ」とさりげなく伝えるだけで、子どもの表情がずいぶん変わることがあります。アレルギー対応食だからといって、特別視しすぎず、自然に渡せるよう心がけています。


家庭でできるアレルギー対応のヒント

保育園での対応を参考に、家庭でも実践しやすいポイントをまとめます。

「最後に入れる食材は取り分けが簡単」
卵のように最後に加える食材は、加える前に取り分けるだけでアレルギー対応ができます。

「牛乳は豆乳・サラダ油で代用できることが多い」
ホワイトソース、蒸しパン、パンケーキなど、意外と代用できるレシピがあります。

「市販のお菓子は原材料表示を必ず確認」
アレルギーの子どもがいる場合、外から持ち込むお菓子の原材料確認を習慣にしましょう。

また、子どもの食の悩みはアレルギーだけではありません。子どもが野菜を食べないのは当たり前という視点も、日々の食卓を気楽にしてくれるヒントになると思います。


アレルギーがあっても、ごはんを楽しんでほしい

アレルギーのある子どもを持つ保護者は、毎日気を遣うことが多く大変です。

でも、少し工夫することで、みんなと同じ食卓を囲める場面は増えていきます。

「うちの子だけ違うものを食べている」という状況をできるだけ減らしたい。それは保育園の給食でも、家庭の食卓でも同じ気持ちだと思います。

保育園では毎日の献立を工夫しながら、アレルギーの子どもも含めて全員が「今日のごはん、おいしかった」と思えるよう心がけています。たとえば保育園の給食で定番のみそ汁のように、シンプルな料理でもアレンジ次第で多くの子が食べられるメニューになります。

アレルギーは確かに大変なことではありますが、「工夫の余地がある」と思えるようになると、少しだけ気持ちが楽になるかもしれません。毎日のごはんを、できるだけ楽しいものにしていきましょう。


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